四季折々の美しさで、訪れる人々を魅了する阿蘇の風景。特に、どこまでも続く青々とした緑の草原の美しさは、一度見たら忘れることはできません。この草原は自然に出来上がったものではなく、はるか1000年も昔から人々の営みによって守られてきたもの。阿蘇には、まるで日本ではないような大草原が見わたす限り広がっています。人と自然の共存が生み出す美しい阿蘇の草原は、まさに“くまもとの宝”です。
阿蘇の草原保全
野焼き
阿蘇の草原を保全するために欠かせないのが、毎年2~3月に行なわれる野焼き。冬枯れの山に火を放つことで、害虫が駆除されたり、新芽の芽吹きが良くなります。そしてその草をあか牛が食べる際、樹木の芽をいっしょに食べるので、草原が林になるのを防いでいるのです。また、野焼きは草原の多様な生態系も守っています。阿蘇の草原には約600種類もの植物があるといわれ、そこにはたくさんの生物が生息しています。中には、阿蘇にしか自生しないという植物も。野焼きをしなければ、これらの植物も育つ場所をなくし、見ることができなくなるかもしれません。しかし、近年、地域の高齢化などにより野焼きの人手が不足しており、草原の維持が危ぶまれています。
美しい阿蘇を守る!
(財)阿蘇グリーンストックの取り組み
野焼き支援のボランティア活動を行なっているのが「(財)阿蘇グリーンストック」です。
2月11日(土)・12日(日)には、県内外から140名が参加し、野焼き・輪地切り支援ボランティア講習会が行なわれました。参加者の中には、「地元のために何かしたいと思って」という大学生や、「阿蘇の美しさに魅了され、この草原を守りたいと思った」という県外の人も。ボランティアリーダーたちは「若い人たちにもどんどん参加してもらいたいですね。今回経験して、何年後かに参加してもらってもいい。阿蘇の草原保全を考えるきっかけになれば」と口をそろえます。
これから3月まで、阿蘇の各所で野焼きが行なわれ、夏を迎える頃には再び美しい緑の草原が蘇ります。こうして阿蘇の草原は守られていくのです。
>> (財)阿蘇グリーンストック
あか牛が守る
阿蘇の草原
阿蘇の大草原で放牧されて育つあか牛も、草原保全に一役買っています。あか牛が草を食べ、大地を踏み固めることで土が流れるのを防ぎ、草原の美しさが保たれています。阿蘇の放牧の歴史は古く、平安時代の文献にも記述があるほど。1000年以上も昔からこの営みが続いているのです。
あか牛を増やすことは草原保全につながることから、都市市民があか牛のオーナーとなって、あか牛を増やそうという「あか牛オーナー制度」も進められています。都市市民と畜産農家が連携して草原を守る新しい取り組みです。
>> あか牛オーナー制度
千年も前から続く人々の営みによって守られるづけている阿蘇の草原をご紹介します。